お城のエレベーターと転売の話し

少し間が空いてしまいましたが、スタッフブログ6月分を大里が担当させていただきます。

最近のニュースの中から個人的に気になった話ですが、先ず安部総理のG20サミット夕食会での大阪城エレベータ発言について。

「明治維新の混乱で大阪城の大半は焼失したが、天守閣は今から約90年前に16世紀のものが忠実に復元されました」
「しかし一つだけ、大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまで付けてしまいました」

私は特に安部指示派ではありませんが、今回の問題に限っては安倍総理の考え寄りです。
個人的にお城は好きなのであちこち行きましたが、直接見た中で一番好きな松本城は、ほぼ創建当時の状態であり、古木の味わいに直接触れたり、天守閣の急こう配の階段を昇る事で当時の雰囲気を実感する事ができました。
逆にコンクリづくりの名古屋城にはがっかりした思い出があります。(その名古屋城もエレベーター問題が発生してますね)

再建予定の名古屋城も含めて問題になっているのは、障害者や高齢者の為にお城もバリアフリー化しろ(又は否定するな)という事ですね。
すみません、私は、ここにどうしても違和感を感じてしまうのです。

公共交通機関、官公庁、医療関係、百貨店、レジャー施設等、生活に密着している場所や一般的な観光施設でのバリアフリー化は必要と思います。
お城も観光施設と見られなくはないですが、それよりも歴史的文化財という大きな側面があります。
失われたお城を文化財として再構築するならば、耐震や防火等の最低限の設備追加はあっても基本は当時のまま再現するべきだと思います。

社会の動きとしてバリアフリー化が正義みたいになっていますが、時と場所によっては、体調や年齢を鑑みて諦めさせる判断も必要ではないでしょうか?
全ての人が差別なく同じ条件や場所に立てるというのは理想ではありますが、性別や体力など避けられない個人差は必ずあります。
過剰な設備投資で克服する道ばかりではなく、お互いに納得できる回避案を示す事も大事だと思います。

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某小説家さんが新刊を発行されて、その記念に東京のいくつかの書店でサイン本を用意されました。
その際Twitterにて、「サイン本の転売を防止する方法を検討している」とつぶやいた所、その小説家のファンの一部によって炎上する事態となりました。
この作家さんとしては、自分のファンに対してサイン本を提供したい思いでのつぶやきだったのですが、炎上させた側のファンの言い分としては、

「転売屋のおかげで、入手手段のない地方のファンにも購入するチャンスが生まれる。」
「東京だけでサイン本を出すな、出すなら全国で出せ、不平等だ」
というのが多くの意見でした。

この小説家さんはすぐにTwitterにてご自身の思いをより詳細に伝えて早期にこの問題を収束させたのは幸いでしたが、東京の書店だけでサイン本を出したのは、恐らく出版社側の意向であると思いますし、直接作家さんを攻撃するのは筋違いと思うのです。
まあそれは置いておいて、ここでの問題は転売の是非にあります。

そもそも転売は法的にグレーゾーンであり、チケット等一部では迷惑防止条例にあたります。
販売元の承認なく本来の価格に自分の裁量で価格を上乗せして販売するので、商品の提供側からは悪と見られるのは自然な事だと思います。
一方で、入手出来ない場所にいる人や入手機会を逃した人にとっては、貴重な入手経路かもしれません。

ただ、ここでも思うのですが、先ほどの話題と同様、諦める事も必要だと思うのです。
私も地方出身ですが、イベントや特別販売など、いつも東京ばっかりという気持ちを私も持った事がありますが、同時に仕方ないかと割り切ってもいました。

しかし、今はネットがありSNSの時代です。
情報が瞬時に全国で共有でき、作家に直接意見を言える機会もある時代です。
その為、ささいな事で不平等を訴えたり、偏向した意見で攻撃する輩が激増し、時にマスコミまで便乗するケースも見受けられます。
これらの対応はネット以前と比較するととても幼稚な反応に思えるのです。

話を転売に戻しますが、この諦めるをどうもネガティブに捉える節があるのですが、そうではなく、これは所謂大人の対応と認識して欲しいのです。
転売について肯定する人は(一部やむにやまれぬ事情の方もいるとは思いますが)「欲しい!欲しい!」「行きたい!行きたい!」と駄々をこねる子供に見えてしまいます。
まあネットの場合実際未成年ユーザーも多いでしょうから、本当に子供の意見という可能性はありますが、、、

ネット社会が影響を与えている事案が確実に増えていく中で、本質を見定める目を持つ事がとても大切であり、また難しい事でもありますね。

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