エニアグラム心理学で人間を知る~その1

本年最後は橋本が担当させていただきます。今回は、以前私のブログでも紹介しましたエニアグラム心理学についてです。

毎年12月には恒例で今年の漢字が発表され、今年は“北”でしたが、正直なところ、私はあまりしっくりきませんでした。というのは、やはり北といえば、今年は北朝鮮の脅威を実感したということが真っ先に思い浮かぶため、国家間のデリケートな事情もかかわってくることを、あえて選ぶのはどうかと思った次第です。日本漢字検定協会の一般公募で最多だったとのことで、他にも九州北部豪雨や、大谷・清宮両選手の動向が話題になった北海道日本ハム、競馬のキタサンブラックなども選ばれた理由とのことですが、何というか、もう少し直接的ではない漢字が欲しかった気がします。

エニアグラム心理学で国の指導者を見る
そこで今回は、北朝鮮の金正恩委員長について少し考察してみます。エニアグラムの切り口から、国家のトップの気質を見てみますと、金正恩はアメリカのトランプ大統領と同じで、タイプ8(強さを求め自己主張する人)であると思われます。北朝鮮が大国米国と渡り合おうとするのは、核という交渉の切り札を持っていることも大きいですが、力を信じなかなか妥協できない気質であるために、どうして正面から衝突してしまうことが考えられます。加えて、中国の習近平国家主席も同じくタイプ8であることで、米中の2大国は、今まで以上に力によって世界を2分する覇権争いをする未来図が予想されますが、そんな中で北朝鮮は瀬戸際ながらの在り方をしています。

そのような構図の中で、日本の安倍首相はタイプ6(安全を求め慎重に行動する人)であるために、北東アジアにおいて、タイプ8のトップのトライアングルの中で、タイプ6の安倍首相がどのように存在感を示していくかは、注目されるところです。

タイプ6は人間的に優れたタイプ8の下では、親分と子分の関係で自分の身の安全が保障されているために、力を発揮しやすいといわれています。そういう視点から考えると、トランプ大統領の懐に入っているとの見方もされる安倍首相が、「日米同盟の揺るぎない絆を世界に示した」と発言したのは、自分にとっての居心地の良さとも符合していると思われます。しかし、トランプ大統領の行動の源は力による支配であり、その人間力には疑問府がつくだけに、「信頼できる指導者」「日米は100%共にある」となると、相対する相手側からの過剰な反発を呼ぶリスクがあることから、それは決して適切な戦略とは思えません。安倍首相には、タイプ6の持つ堅実さ・誠実さという強みを活かして、関係各国との折衝・調整に力を発揮していただきたいということを、切に望みます。

 

そもそも、エニアグラム心理学とは?
今回は少々大きな話になってしまいましたが、私はそれほどエニアグラム心理学で、人間行動のエネルギーの源泉を探ることができると考えております。

以前も記載しましたように、エニアグラム心理学とは、「性格は特定の気質から形成され、人間は生まれながらにして9つの気質タイプに分けられる」という考えに基づいております。人間は、無意識のうちに自分の身を守る反応の仕方やエネルギーの出し方が違っていて、それは9つの型に分類されるという理論体系です。

このように書くと、性格なんてその時の状態で変わるのではないか?タイプ分けができるなんて、何だか胡散臭い印象があるし、本当に合理的なのだろうか?そもそも本当に9つのタイプに分けられるものなのか、レッテル張りをするようで、悪い影響の方が多いのではないか?といった疑問点が出てくるのが当然かもしれません。

エニアグラムについては、多くの機関で様々な角度から研究され、解釈や見解による少々の差異は見受けられますが、私が対人関係上とても役に立つと思う点は、主に以下となります。

  • 性格を、持って生まれた変わらない部分=気質と、環境・習慣・学習などの後天的に形成された変えられる部分の多重構造として捉えていて、そもそもの気質に違いがあることを前提としているため、全く自分とは違う性格と思われる人を受容できるようになった。
  • 様々な事象に対して、自分では当然と思っていた捉え方が、他の気質タイプであれば、そもそもそれぞれ全く違う反応となることを理解したため、無意識な思い込みによる認識のズレが多々存在する怖さを知ることができた。
  • 何よりも、今までの自分を形成してきた無意識なエネルギーがどこから来ていたかを実感することができたため、過去の自分の行動の良かったところも、様々陥ってきた失敗の原因も、見事に種明かしされたという確信が持て、そのことにより、とても気持ちが楽になれた。

ただし、これらも自己認識ですので、どこまで説得力があるかどうかについては、謙虚にならなくてはいけないですが、私にとってエニアグラムは、9つのタイプがあるというシンプルな構造ではありながら、実に多くの対人関係や人間的成長のヒントがあるということを実感しております。

なお、少なくとも、以前のブログで記載しましたように、エニアグラム心理学は、そもそも人間は多様な存在として生まれてくるという前提に立っているため、本質的な意味でのダイバーシティの必要性の論拠となることは、再度触れておきたいと思います。

 

エニアグラムの9つのタイプ別特徴とは?

それでは、9つのタイプとは具体的にどのような違いがあるものなのでしょうか?

以下、それぞれのタイプについて、概説を記載いたします。

タイプ 特徴 根源的欲求 好きな言葉
1.完全でありたい人 細部にこだわり、公平で自制心が強い。好嫌の感情に偏らず、公正な態度を貫き、踏むべきプロセスをきちんと踏み、手抜きをしない。 良くあること、一貫性があること 「~であるべき」「絶対に」「~でなければならない」「完全に」
2.人の助けになりたい人 良く世話を焼き、心が温かくてやさしい。自分の損得は二の次にして、相手(会社)の喜びを中心に考え、心の触れ合いを大切にする。 愛を感じること 「ありがとう」 「感謝」「人間関係」「おかげさまで」「謙虚」
3.成功を追い求める人 何事も手際が良く、挑戦意欲が高い。人から評価を得るために、常に上を目指し、自分を高め、チャレンジ精神が強い。 スター性があるともいえる。 自分に価値があると感じられること 「達成」「競争」

「業績」「評判」

「賞賛」

4.特別な存在でありたい人 自己の内面にある独創的なアイデアを大切にする。 繊細で傷つきやすい。一人一人を差別なく大切にし、真に独創的で価値あるものを生み出そうという意識を持つ。 自分自身であること 「夢」「感動」

「価値」「自分らしさ」 「創造的」

5.知識を得て観察する人 冷静で分析力に富み、物事を論理的に考える。 主観に囚われず、色々な視点から情報を集め、必要とあれば路線変更できる柔軟性を持つ。 能力があり、役に立つこと 「論理的」「客観的」「観察」「分析」「事実」

 

6.安全を求め慎重に行動する人 誠実な人柄。常にリスクを考え行動し、慎重で節度をわきまえる。目立たなくてもかまわない慎ましさと優しさを持ち、縁の下の支えでも、骨身を惜しまず役割を果たす 。 安心、安全であること 「安全」「安心」 「責任感」「誠実」「忠実」
7.楽しさを求め計画する人 好奇心が強い。 明るく社交的。 物事のプラス面、明るい面を見逃さずに可能性を信じる。失敗しても、拘りを捨てて、軽いフットワークで再び立ち上がる。 満足し、充足すること 「楽しい」「前向き」「計画」「素敵」「ラッキー」

 

8.強さを求め自己主張する人 自己主張が強い。決断力のあるリーダーで、度胸があり大胆に行動ができる。勝つために、組織のエネルギーを集中的に発揮させる決断力と行動力を持つ。 自分を守ること 「挑戦」「白黒はっきり」「勝負」 「徹底的に」「闘い」
9.調和と平和を願う人 包容力のある人柄で、おっとりとして穏やか。じっくり時間をかけて、待つべきところは待ち、安心して発言できるような雰囲気を作り出す。 心の平和と安定性 「平和」「調和」

「たいしたことない」「なんとなく」「バランス」

 

上記の表をご覧になって如何でしょうか?

ここで紹介した内容は、各タイプの説明としてはごく一部ではありますが、ここまで読んできますと、自分のタイプは何?そして家族や友人、同僚のタイプは何?を知りたくなると思います。

 

自分のタイプ探しは簡単ではない

それでは、どのようにして自分や他者のタイプを知るのかということについてですが、ネットや書籍では簡単に診断できるツールが紹介されていますので、試してみることはできます。しかし、私の経験では、実はなかなか一筋縄ではいかないというのが実感です。

人は成長の過程で様々な環境や教えの影響を受け、役割期待や社会的要請への対応を重ねていくうちに、後天的に「性格」が形成されていくため、先天的な気質はとても分かりにくくなっているためです。もちろんそれは自分の身を守るためには必要ですので、決して悪いことではありませんが、そのことで、もともとの気質から来るエネルギーを知ることは、とても難しくなるわけです。

私は現在、約3ヶ月に1回、専門の先生が主催するエニアグラム心理学の勉強会に参加していますが、タイプ別の掘り下げやビジネスへの応用など、学べば学ぶほど、“人間学”と呼んでも良いほど奥が深い、ということを痛感しております。

次の機会では、9つのタイプについて、より詳しく見ていきたいと思います。

 

 

【おまけ】今月の1枚

大阪・万博公園にある太陽の塔です。1970年に開催された万国博覧会から既に半世紀近く経ちますが、その圧倒的な存在感は全く失われていません。内部が改装され2018年3月には一般公開されますが、その眼差しはどこに向いているのでしょうか?(2017年9月撮影)

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