プロビティコンサルティング株式会社

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2014年10月07日 吉成コンサルティングにて実施
野田:

 吉成さんにはプロビティが創業以来、ずっと顧問であり、研修講師として本当にすばらしい講義を行ってもらっていますが、まずは私たちがこの会計研修をやっていく意義について、どんなふうに感じていらっしゃいますか?


吉成:

 そうですね、よく申し上げていることですが、まず「そもそも会計が必要なのか」ということですよね。
経理の人たちは仕事ですから必要です、まずこれは1つ当然ありますよね。
 それからおそらく我々が対象としてきたメインターゲットというのは、経理の人が多かったということも事実ですが、実際には我々の意識するメインターゲットは経理に限定はしていないです。


野田:

そうですね。


吉成:
吉成 英紀(よしなり ひでき)
有限会社 吉成コンサルティング
代表取締役。
プロビティコンサルティング株式会社顧問。

大手監査法人にて、不良債権に伴う債権査定業務、外資系銀行監査および、コンサルティング業務に従事した後独立。 独立後、不良債権査定業務、M&A、業務監査、会計アドバイザリー、金融コンサルティング業務、経営分析等に従事。 豊富なキャリアに基づいた講義は、多くの企業・団体で定評を得ている。「経理実務」「数字の読み方」(大栄出版)他共著多数。慶應義塾大学商学部卒。

 経理以外の人たち、それはどういう階層の人かというと、それも限定しているわけではなくて、それこそ新入社員もいれば、役員・経営者もいましたよね。「ではそういうビジネスマン全体に会計が必要なのか?」ということだと思うんです。
 これにはいろいろと意見があると思うのですが、私の見聞の範囲で常日頃から強く思っていることなんですけれども、「会計だけが本当に日本のビジネスマンは弱いのではないか」という意識が非常に強いです。
 これはまず、知識が少ないということがあります。これは会計というものをどう捉えるかなんですが、簿記や会計の知識というよりも、私が言いたいのは「商売をやっていくうえで、数字を使ってモノを考えることができるものについては、しっかり数字を使って考えていますか?」ということなんです。
 数字を使ってモノを考える、ということをもっと具体的に言うと、よく引き合いに出すのは、商売とはどこからどこまでを指すのか?ということなんですよ。
 例えば営業部長であれば、お客様に商品・サービスを買っていただくということを経験を積んでやってきた、そして優秀だから部長になれた人たちですね。課長であれば優秀だから課長になれた人たちですよね。「それが商売ですか?」と言ったらそれは商売の一部なんですね。商品を仕入れる担当の人、メーカーであれば製造の担当の部署で働く人、それに間接の方の部門の人もいるわけですけれども、それぞれの部門でやっていることというのは商売の一部に過ぎないんです。会社は何をやっているのかといったら商売をやっているのですが、それぞれの部署はその一部を担っているわけです。
 結局会計というのは言ってみれば商売のためのものです。とすると普段よく申し上げるのは投資利益率の話なんですけれども、投資をして何%のリターンを得られたかというところまでがトータルの商売なんです。だからお客さんに商品を買ってもらうというのはものすごく大事な部分なんだけれども、そこだけをやっているというのはひとことで言うと「商売をやったことにはならない」ということなんです。


野田:

つまり株主なり金融機関なり会社に対して投資している人がいる、ということを忘れてはいけない、ということですね。


吉成:

 そして会社は会社で投資をしているということ。 投資というとすごく特殊なことに聞こえるかもしれないけれども、要は商売なのだということ、皆商売をしているんだ、ということです。
 「商売しているということが本当にわかっていますか?」なんですよ、私が言いたいのは。「あなたのところは何をやっているんですか?」ということなんです。


野田:

日本企業にはその感覚が欠けているのではないか、ということですか?


吉成:

 高度経済成長というものがありましたが、その良い影響、悪い影響があるのかはわかりませんけれども、日本的経営というものの主要な部分が失われて久しいわけです。
 それはここで議論しても仕方のないことですが。そうした時に我々は常に原点に戻って、「自分たちは何をやってきたのか」、「国全体の経済が右肩上がりで成長している時には自分たちが商売をやっているのだ、どうやったら利益を得られるだろうかということを考えていなかった」、と言ったら言い過ぎなんだけれども、より良いものを作って皆で頑張って売り歩いていけば、去年より今年、今年より来年、もっともっと豊かになっていくのだということが実感できたし、ニーズは潜在的にあったんですよね。


野田:

まぁ、何にもモノを持っていない状況からスタートしていたわけですものね。


吉成:

 そういった意味では何をやっても儲かった…なんて言うと諸先輩方に怒られますけれども、少なくとも頑張れば頑張るだけ報われたというところがあった。無から有を作りだしていた、それは偉大なことなんですけれどもね。
 では、今のような成熟経済とは何かといったら、何か利益を生むためには頭を使って利益というものをひねり出して作り出して、飯の種を生み出しながら会社を存続させなければならない。それが上手くいく会社は伸びていくし、上手くできない会社は滅んでいくんです。


野田:

それが現代の会社に求められているであるということですね。


吉成:

 それが成熟経済で企業がやっていくということでしょうね。そうであるならば商売をする上で数字は必要ないのですか?と言ったらそんなことはないので、「要するにいくら儲けたいのか、いくら儲かっているのか?」とそういう話ですよね。
 数字を頭の中で使えないから、なかなか商売のセンスが育たない、そういうことなんです。 「うちは簿記3級を勉強させていますから会計は基本は分かっています」という言葉がありますよね。これは本人が一番壁になっているんです。
 そういう人が研修を担当しているからその会社がダメだ、とまで言ったら言い過ぎなんですけれども、正直言ったらそうですよ。


野田:

あるいは、そもそも数字は必要ないからと言う人事部の研修担当者も、まだまだいるんですよ。


吉成:

数字が必要ないという人がいますか?


野田:

まぁ、会計は必要ないと思われているような印象はあります。



吉成:

会計の勉強はいらない、というのは「別に簿記の勉強させたって仕方がないでしょ」、といった考え方なんですよね。だから非常に理解が狭いですよね。会計というとそのイメージなんでしょう。


野田:

だから簿記3級みたいなことをやっても仕方がないし、という考えになってしまうみたいなね。


吉成:

 だから我々研修会社というのは思いあがってはいけないし、お客様のニーズあっての我々ですけれども、一方で我々としても会社に対して啓蒙していかなければならないところというのはある。だから研修の担当責任者であったり、我々にとってお客様の一番目の前におられる受講者に対して、我々が強く説明をしてご納得をしていただかないといけないし、我々自身の考え方に間違いがあれば正していかなければならない。
 正直言って今、我々はこの現状に対して非常に憂いてはいます。


野田:

商売をやってるのに数字がわからなくていいのか、いいわけないだろう、ということですね。



吉成:

商売やっているという意識が欠けているのではないですか?
必要なのは商売のための会計なんですよね。


野田:

当然そうですよ。


吉成:

 ビジネスやっているんですし、特に経理以外の人たちはまさにそれしか必要性がないですからね。ですから、少し話をまとめますと、経理以外の一般のビジネスマンにとってビジネスのための会計こそが必要なんですけれども、それを必要としているソースがなさすぎるんです。ビジネスとしての会計なんだ、だからB/S、P/Lというものを何となくではなく、ちゃんとわかることがもちろん入口にあるんだけれども、学んでそれをどう活かすかかと言った時に、キーワードは投資だと思いますね。
 「投資をしてそのリスクに見合うリターンというものを念頭に置いたビジネス活動をしましょう」。言いたいのはそこですね。そこが欠けているというのは要するにアセットであったり、あるいはネットアセットであったり、あるいはリターンであったりというものが数字として頭に叩き込まれてこないから見えてこない。だからそういうことを考えようにも言葉もなく、ものを考えようとするのと一緒で、会計がわからないと商売を考えるセンスが育たないでしょう。


野田:

おっしゃる通りですね。考えるツールがないですものね。


吉成:

 だから「俺、独立してラーメン屋やろうかな?」なんて言っている人の方がよほど考えているんですよね。
例えば何杯売ったらとか。 という風には思いますね。


野田:

私の知人の店長さんも、原価率何%でとかって言ってますから。だから1人1人が独立するとしたら、もっと真剣に考えますよね、きっと。


吉成:

 私は、一時期研修の現場でその発想で喋ろうとしたことがあったんですけど、通じませんでした。つまり、「あなたが自分のお金を投資すると思ってごらん」だとか「あなたが自分で商売しているところを想像してごらん」って言った時期があったんですけど、本当に届きませんでしたね。
 「あなたが課長や部長になって、会社のお金で失敗したらどうする?」って言ったら皆少し理解してくれたようでした。


野田:

その方が、まだ実感があるんでしょうね。




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